この記事の要点
- 分散リソースを束ねて卸供給するアグリゲーターは、電気事業法第27条の30の「特定卸供給事業者」として位置づけられる。
- 制度は2022年4月1日に施行され、現在も運用が続いている。許可制ではなく届出制で、経済産業大臣への届出が求められる。
- 「特定卸供給」に該当するのは、集約して供給する供給能力の合計が1,000kW(1MW)を超えると見込まれる事業に限られる。
- 新規参入は事業開始の30日前までに届出が必要で、事前相談は2か月程度前が目安とされる。届出受理後の30日間で供給能力やサイバーセキュリティの適切性が確認される。
- 重要な変更は新規届出と同じく30日前までの変更届出が必要で、休止・廃止にも届出が求められる。無届で営めば電気事業法違反になる。
一文要約
自家発電・再生可能エネルギー・蓄電池などの分散リソースを束ねて卸供給するアグリゲーターは、2022年4月1日に施行された改正電気事業法(第27条の30)で「特定卸供給事業者」として位置づけられ、経済産業大臣への届出が求められます。許可制ではなく届出制のため参入の入口そのものは高くありませんが、届出をせずに特定卸供給事業を営むと電気事業法違反になります。該当するのは集約する供給能力の合計が1,000kW(1MW)を超えると見込まれる事業で、新規参入は事業開始の30日前までに届出を行い、事前相談は2か月程度前が目安とされています。本記事では、この制度の電気事業法上の位置づけと、届出の手続き・期限・書式といった実務の要点を、一次情報にもとづいて当社が整理して解説します。

そもそもアグリゲーターとは何をする事業者か
アグリゲーターは、需要家側や系統側に散らばった小さな電力リソースを束ね、まとまった一つの力として市場や系統へ提供する事業者です。束ねる対象には、工場やビルの自家発電、屋根の上の太陽光、家庭や事業所の蓄電池、需要を一時的に絞るデマンドレスポンスなどがあります。
こうした分散型エネルギーリソース(DER)は、一つひとつは小さくても、数多く集めて協調して動かせば、発電所に近い価値を出せます。アグリゲーターはこの「束ねる・調整する」役割を担い、集めた電力を小売電気事業者や一般送配電事業者などへ卸供給します。
DERの普及が進むなかで、この束ねる事業が独立した一つの事業類型として確立してきました。そこに法律上の位置づけを与えたのが、後で述べる特定卸供給事業の制度です。アグリゲーターの市場での具体的な動きや収益の組み立て方については、当社の再生可能エネルギーアグリゲーションのページもあわせてご覧ください。





