この記事の要点
- 容量市場のメインオークションは実需給の4年前に開き、将来の供給力(kW)をあらかじめ確保する。実需給年度2026年度向けの追加オークションは実施が終わり、約定結果は2025年7月28日に公表された。
- 追加オークションは実需給年度の1年前に実施され、調達量や上限はエリアごとに作成される需要曲線(調達量上限・目標調達量等)にもとづいて決まる。全国一律の比率ではない。
- 長期脱炭素電源オークション第4回(応札年度2026年度)は、募集容量として約600万kWが提案されている(審議中)。蓄電池・揚水は枠より応札が多く、第3回は上限80万kWに対し応札が約355万kWに達した。
- 系統用蓄電池が安定電源として参加するには、期待容量1,000kW以上で1日1回以上3時間以上の継続的な運転が可能であることが目安になる。期待容量は設備容量そのものではなく、供給力として見込める量である。
- リクワイアメント未達成時の経済的ペナルティは容量確保契約金額の10%が上限で、計画停止の調整不調には経過措置控除係数を含む日割りの算定式が適用される。
一文要約
容量市場には複数の調達枠がある。実需給の4年前に開くメインオークションで将来の供給力(kW)を確保し、足りない分は実需給に近い追加オークションで補う。実需給年度2026年度向けの追加オークションは実施が終わり、約定結果は2025年7月28日に公表された。これとは別建てで、脱炭素電源の新規投資を長期の容量確保契約で支える長期脱炭素電源オークションが走っており、第4回(応札年度2026年度)は募集容量として約600万kWが提案されている(審議中)。系統用蓄電池はこのどちらにも参加し得るが、枠が応札を下回る局面があり、区分別上限や参加要件、リクワイアメントとペナルティの設計が採否と運用負担を左右する。

容量市場が解こうとしている問題
電力は瞬間ごとに需要と供給を一致させ続けなければならない仕組みで、足りなくなったときに備えた供給力をあらかじめ確保しておく必要がある。ところが卸電力市場で売れる電力量(kWh)だけを収入源にすると、めったに動かさない予備的な電源は投資回収の見通しが立てにくい。容量市場は、こうした「いざというときに動ける能力(kW)」そのものに価値を付け、供給力を計画的に確保しておくための仕組みである。
運営は電力広域的運営推進機関(OCCTO)が担い、制度の設計は資源エネルギー庁の制度設計ワーキンググループ等で議論されている。需要家側の小売電気事業者は、確保された供給力に対応する容量拠出金を負担する側に立つ。供給力を出す発電事業者・蓄電池事業者と、その費用を支える小売、という二つの側がこの市場を構成する。小売側が負担する仕組みは別の記事で扱っているため、支払スケジュールや経過措置の控除については容量拠出金の実務(2026年度)もあわせて参照されたい。




