1. なぜこの記事を書くのか — 2026年4月解禁の本質
前回記事では、2026 年 4 月の制度改正により低圧系統用蓄電池(連系出力 50kW 未満)がアグリゲーターを通じて需給調整市場・JEPX・容量市場の 3 市場から収益を獲得できることを解説した。
本記事では、その中核となる需給調整市場に焦点を絞り、「低圧 49.5kW の蓄電池が、一次・二次・三次という 4 区分 5 商品のどこに、どのように参加できるのか」を、技術要件と入札実務の両面から具体化する。
需給調整市場は、低圧系統用蓄電池の収益のうち中央想定で年間 約 550 万円(保守想定 約 175 万円)を占める最大の収益源である(前回記事「4. 収益モデル」参照)。この市場の構造を理解することなく投資判断は完結しない。
2. 需給調整市場の 4 区分 5 商品 — 応動時間・継続時間・対価の正確な仕様
需給調整市場は、TSO が需給バランス(周波数 50/60Hz の維持)のために調達する調整力を取引する市場である。応動の速さに応じて 4 区分(一次・二次・三次①・三次②)に分かれ、二次調整力は制御方式の違いにより ①(LFC)と ②(EDC)の 2 商品に細分されるため、商品ベースでは 5 商品となる(出典:資源エネルギー庁「需給調整市場について(第109回 制度設計専門会合 資料6)」)。

なお応動時間・継続時間の数値は OCCTO 業務規程・資源エネルギー庁 制度設計専門会合 資料(2025 年)に基づく一般的な要件であり、エリア別 TSO の運用細則により若干異なる場合がある点には留意が必要である。
対価(上限価格)の水準
需給調整市場の対価は「ΔkW 価値(容量対価)」と「kWh 価値(電力量対価)」の 2 階建てとなる。容量対価は 30 分単位のスロット(1 日 48 スロット)で支払われ、上限価格は OCCTO により公表される(出典:OCCTO 需給調整市場)。


