この記事の要点
- 蓄電池の電圧変動対策(充電側の力率設定)が、当初の2030年想定を待たずフェーズ2'として2027年度の要件化を目標に前倒しされる方針です。
- 2027年4月以降に系統アクセスにおける契約申込みを行う(特別高圧・高圧の)太陽光・蓄電池は、**JC-STAR★1を取得した通信機能付きの制御システム(PCS・EMS等)**の利用が必須になる見込みです。
- 太陽光も同じく、契約申込みを起点にJC-STAR★1対応のPCS・EMSが前提となります。
- 低圧(50kW未満)で連系する製品は流通在庫に配慮し、約半年の経過措置を置いて適用開始は2027年10月です。
- 風力は2027年4月、燃料電池は2028年4月の適用が見込まれ、電源種ごとに時期が分かれます。
一文要約
系統連系の技術要件を体系的に定めるグリッドコードは、これまでフェーズ1(短期・2023年4月)・フェーズ2(中期・2025年頃)・フェーズ3(長期・2030年頃)という三段階で段階導入されてきました。今回、蓄電池の電圧変動対策(充電側の力率設定)を、フェーズ3の2030年想定を待たずフェーズ2'として2027年度の要件化を目標に前倒しする方針が示されています。あわせて2027年4月以降に系統アクセスにおける契約申込みを行う(特別高圧・高圧の)太陽光・蓄電池は、JC-STAR★1を取得した通信機能付きの制御システム(PCS・EMS等)の利用が必須となり、低圧50kW未満は約半年の経過措置を経て適用開始が2027年10月となる見通しです。機器調達と設計のスケジュールに前倒しで影響する内容です。

グリッドコードとは何を決めているのか
グリッドコードは、発電設備や蓄電池などを電力系統につなぐとき(系統連系)に満たすべき技術要件を体系的に定めたものです。電圧や周波数が乱れたときの応答、力率(電圧と電流の位相のずれを表す指標)の制御、事故時に系統から即座に解列せず運転を継続するFRT(事故時運転継続)、そして系統側からの指令を受けるための通信機能など、設備が系統の安定に協調するための約束事をまとめています。電力広域的運営推進機関(OCCTO)のグリッドコード検討会と、資源エネルギー庁の審議会で内容が段階的に整理されてきました。
要件をひとつの分野だけ見ると個別の技術論に見えますが、全体としては「系統に多数の分散型電源がつながっても、電圧・周波数・事故応答が乱れないようにする」という一貫した目的を持っています。当社の理解では、グリッドコードは個々の設備のスペック表ではなく、系統全体の安定を分散型リソースに分担させるためのルールブックとして読むのが実務的です。
これまでは要件を一度に課すのではなく、対象や時期をフェーズに分けて段階導入する考え方が採られてきました。今回の動きは、その段階導入のスケジュールのうち、蓄電池に関わる部分を当初想定より早める方針が示された点に特徴があります。




