この記事の要点
- JEPX 前日スポット価格は「需要を満たす最後の電源(限界機組)の費用」でおおむね決まる(メリットオーダー)
- 九州では出力制御が 1500MW を超えたコマの 98% が 1円以下(2023-10〜2026-05 実績)
- 平常時の価格は限界機組(推計では多くが LNG)の燃料費水準、目安 10〜12円/kWh
- 夕方ピークの「スパイク」は燃料底に希少性プレミアム +5〜9円(極端時 +20〜30円)が上乗せされたもの
- 0円・低価は仕組みが明確で読みやすい一方、スパイクは事後に説明できても前日には確実な予測は出せず、当面はリスク分層に留まる
1. 価格は「最後の1台」で決まる
JEPX 前日スポット価格は、その30分コマで需要を満たすために最後に動いた電源(限界機組)の費用でおおむね決まる。発電を安い順に積み上げ、需要に届いた最後の電源が価格を決める ── これがメリットオーダーである。本記事の供給曲線は分燃料実績と燃料価格からの近似(proxy)であり、実際の入札曲線(bid stack)でも因果の証明でもない。

昼に沈み夕方に跳ねる。蓄電池の裁定は、この谷で充電し山で放電する行為そのものである。安い電源から積み上げると、需要がどこに届くかで価格水準が変わる。

2. 九州の供給スタック(推計)
安い電源から順に積み上げると、九州の供給力はおおむね次の5階層になる(分燃料実績からの推計)。

0円電源には太陽光のほか原子力・風力・水力・地熱が含まれる。平常時の限界機組は proxy 上では多くが LNG と推計され、価格はおおむね LNG 燃料費の水準に落ち着く。





